【おすすめのギタリスト】
ギタリスト名:Marc Antoine
出身地:フランス
誕生:1963年
活躍期間:1990年代~現在
ジャンル:スムースジャズ、フュージョン
在籍歴:-
パリ出身のギタリストで、スムースジャズ、フュージョンを中心に世界で活躍しています。
ナイロン弦あるいはスティール弦によるアコースティックなサウンドが魅力で、優しい音のエレクトリック・ギターもとても麗しく響きます。
幼い時から音楽に関心が高く、「(自分が)4歳の時に、ストラヴィンスキーの『春の祭典』を聞きながら陶酔していたと両親が言っていた」と思い出を語っています。
11歳頃からギターを弾き、13歳から音楽学校に通いクラッシック・ギターのレッスンを受けたようです。
ジプシー(ロマ)の血をひくギタリストとして知られ、彼のアルバムは、熟練したクラシック・ギターをベースに、フラメンコ、アフロビートからヒップ・ホップ、R&B、ジャズなど多文化的な要素で溢れています。
1988年頃からイギリスに渡り、1990年代にはロサンゼルスに居を移しています。
その後、スペインのマドリッド(奥さんの出身地)に移り、12年ほど生活した後に、再びカリフォルニアに戻り、大西洋を挟んだ、東西の文化・音楽の影響を受けた、世界的な、ハイブリッドなギタリストといわれています。
彼のギターの神髄は、エキゾチックな旋律、流れるような技巧、そしてソウルフルなことにあり、作曲家、プロデユーサー、アレンジャーとしても才能あふれ、聴いていて飽きが来ない不思議さがあります。
ソロアルバムは、1994年の「Classical Soul(フレンチ・ドリーム)」から始まり、2021年までに14枚ほど発表しています。
これまでの共演者として、スティング、ロッド・スチュアート、セリーヌ・ディオンなどが知られています。
【アルバムの紹介】
アルバム:Hi-Lo Split
発表:2007年
スタイル:スムースジャズ
イメージ:幸せ 穏やか 爽やか
マーク・アントワンの8枚目のソロアルバムです。
ほとんどがナイロン弦によって演奏されますが、ストリング弦を使っているところもあります。
1曲目のFor A Smileは、不思議なオルガンの音にのせて、情熱的で美しいメロディが流れます。
Hi-Lo Splitはホーンセクションとのジャムで、軽快な楽曲。
ナイロン弦とスティール弦の対話を楽しめます。
Spookyはカバー曲で、かつてアタランタ・リズム・セクションなどが演奏していた曲。
とても渋く、聞き心地のよい曲です。
原曲はサックス奏者Mike Sharpによるもので(1966年)、ジャズの曲として生まれたらしく、マーク・アントンが長くこの曲に愛着を持っていたようです。
このアルバムでのアレンジは、アトランタ・リズム・セクションからの二人が行っています。
Silk And Steelは、このタイトルが意味するように、ナイロン弦とスティール弦のコラボです。
Cancun Blueは、メキシコにある、カリブの極上リゾートと呼ばれるカンクンを描いたものといわれています。
リラックスしたムードが漂っています。
次は、スパニッシュ風のホーンの掛け合いがある中を軽妙にアントワンのギターが流れる Groovin’ Highです。
Panacea(“万能薬“の意)は、一転、踊れるジャズ、アシッド・ジャズ風になります。
R&Bやヒップホップに繋がるような楽曲です。
Bossalectroはボサノバ・リズムのブラジリアン・テイストで、これまでの楽曲と全く異なる雰囲気です。
Voodo Dollはヒップホップのリズムの上をギターの音が踊っているかのようです。
最終曲、Tommorowはバラードで、一筋の長い光を様々な色で描いているかのようです。
タイトルネームのHi-Lo Splitは、ポーカーゲームの一種らしく、最高のカードを持つ者と最低のカードを持つ者の両者に富が集まるゲームのようです。
このアルバム発表の前年に、マーク・アントワンが初めてこのカードゲームを行い、そのことがこのタイトルネームに繋がっているようです。
アルバムのほとんどの曲がマーク・アントワンの作曲で、ラテン系のギターによるリラックスした雰囲気に包まれながらも、時にクラシカルな響きやヒップホップの楽しいリズムなどを楽しませてくれるアルバムです。
収録曲(ギターインスト:赤字)
1 For A Smile
2 Hi-Lo Split
3 Spooky
4 Silk And Steel
5 Cancun Blue
6 Groovin' High
7 Forever
8 Panacea
9 Bossalectro
10 Voodoo Doll
11 Tomorrow
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Marc Antoine - Groovy Sunday (Official Audio)