【おすすめのギタリスト】
ギタリスト:Chuck Loeb
出身地:アメリカ
誕生:1955年
活躍期間:1970年代~2017年
ジャンル:ジャズ フュージョン スムース・ジャズ
在籍歴:スタン・ゲッツ・グループ ステップ・アヘッド メトロ フォープレイ
スムース・ジャズ、フュージョンで活躍したアメリカ出身のジャズ・ギタリストです。
暖かくて優しい、深みのあるトーンが魅力的で、卓越したクロスオーバー・ジャズ・ギタリストとして長く活躍しました。
ニューヨーク市近くのナイアックで生まれ、若い頃にはジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトン、レッド・ツェッペリン、ビートルズ、ローリングストーンズ、ボブ・ディランなどを聴いていたとのことです。
11歳でギターを弾き始め、13歳頃には地元のバンドでギターを弾き、音楽を将来の道として考えていたようです。
16歳の時にウエス・モンゴメリー、ジョージ・ベンソン、ジョン・マクラフリンなどを通してジャズを知ることになります。
フィラデルフィアの音楽学校に通いギターを学んだり、ニューヨークでジム・ホールからギターを学んだり、ハイスクール卒業後には2年間、バークリー音楽院(ボストン)に通ったりと数々のレッスンを受けた後、1976年にプロのギタリストとして活躍するためにニューヨークに向かいました。
ニューヨークでは、1979年にジャズ・サックス奏者スタン・ゲッツのグループに迎えられ5年ほど活躍するなどし、1994年にはスタン・ゲッツ・グループの一人だったミッチェル・フォアマン(ジャズ/フュージョンのキーボード奏者)とともに、ジャズ/フュージョン・バンドMetroを結成し、アルバムを制作していきました。
そのほかにも多くのミュージシャンと共演し、ツアーのパフォーマーとして、スタジオ・ミュージシャンとして、作曲家としても活躍しています。
作曲では、コマーシャルソング、テレビのテーマソング、映画音楽など幅広い分野で本領を発揮したとのことです。
チャック・ローブが最初に練習したギター曲がボブ・ディランのLike a Rolling Stoneとのことですが、2005年にニューヨークのライブ会場でボブ・ディランとともにステージに上がり、ミスター・タンブリングマンなどを演奏したことがあり、ギターソロの後に、ボブ・ディランがチャック・ローブの方を向き、「やあ、チャック」と声をかけてくれたとのことです。
その時チャック・ローブは嬉しさのあまり「今、死んでもいい!」と思ったと述懐しています。
また、卓越した技術にもかかわらずとても控えめな性格から、ニューヨークタイムズはチャック・ローブのことを「ジャスギター界のクラーク・ケント(スーパーマンの地球人名)」とあだ名をつけたことがあったようです。
2010年に、リー・リトナー、ラリー・カールトンをギタリストとして擁したFourplayの3代目ギタリストとして迎えられたことは広く知られるところです。
ソロアルバムは1988年発表のアルバム「My Shining Hour」から始まり、2016年の「Unspoken」まで20枚以上のアルバムをリリースしています。
2017年に癌のため、ファンに惜しまれながら61歳で逝去しています。
【アルバムの紹介】
アルバム:Listen
発表:1999年
スタイル:スムース・ジャズ
イメージ:美しい 軽快 上品 大人
チャック・ローブの9枚目のソロアルバムで、9曲のオリジナル曲を含めた12曲が、暖かいギターとゲストミュージシャンのパフォーマンスに彩られ、心地よく流れていきます。
いくつかの曲はパーカッション、ドラムをプログラミングで編成させていますが、生ドラムでライブ感たっぷりの曲もあります。
爽やかでキレの良いギターで始まり、途中でフリューゲルホーンが渋く入ってくるSilver Starでアルバムは幕を開けます。
2曲目はリズムを変えて、小気味よいHigh Five。
アコースティック・ベースに支えられてのフルートとの掛け合いも楽しいです。
4曲目のRight Down Broadwayはライブ感あふれる作りになっています。
明るく、メロディアスなギターが嬉しいです。
チャック・ローブの卓越さが遺憾なく発揮され、長いソロを聞かせてくれますが、必要以上に目立たせることなく、ホーンセクションやピアノとコラボしながらの一体化したサウンドとなっています。
Listenはボブ・ジェームス、チャック・ローブ、カーメン・クエスタ(チャック・ローブの奥さん)3人による共作で、実に美しいバラードです。
カーメン・クエスタのボーカル曲です。
7曲目のRock With Youはマイケル・ジャクソンの曲で、このアルバムではゆっくりとした、しかしタイトなライブ感あふれるロックに仕上がっています。
8曲目のGeraldline(ジェラルディン)はイエロージャケッツの曲で、渋いが、美しく、不思議な広がりが残り、いつまでも聴いていたいような曲。
10曲目Chiringitoは明確なラテンのトラックで哀愁の世界に導かれていきます。
11曲目Blue Kissはタイトル通り、ブルージーで美しい曲で、チャック・ローブとカーメン・クエスタの共作。
なぜこんなきれいな曲が作れるのだろうと思いながら、ずっと聞いていたい曲。
最後は、お行儀がよくて明るく元気なアーヴィングトン・ミドルスクールの子ども達の合唱Listen to the Soundで幕を閉じます。
多くのスムースジャズ・ギタシストがいる中で、チャック・ローブがファンから必要とされ続けているのがわかるようなアルバムで、1曲ずつが変化に富むとともに、わかりやすく、口ずさみたくなるようなメロディーも魅力的です。
収録曲(ギターインスト:赤字)
1. Silver Star
2. High Five
3. Love To All
4. Right Down Broadway
5. Shhh...
6. Listen
7. Rock With You
8. Geraldine
9. Buttercup
10. Chiringita
11. Blue Kiss
12. Listen To The Sound
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Beneath The Light ♫ Chuck Loeb