■Kiko Loureiro(キコ・ルーレイロ)■


【おすすめのギタリスト】
ギタリスト:Kiko Loureiro
出身地: ブラジル
誕生:1972年
活躍期間:1980年代~現在
ジャンル: ヘヴィー・メタル  ジャズ・フュージョン
在籍歴:Angra Megadeth

 アングラ、メガデスの超絶ギタリストとして活躍し、世界のトップギタリストとしてランクされているブラジルのギタリストです。

 ブラジルはリオデジャネイロで生まれ、サンパウロで育ったようです。

 幼少のころから音楽好きで、11歳の時にアコースティックギターを習い始めますが、その後、プログレッシヴ/ハード・ロックやジャズ、フュージョンの世界を知ることによりエレクトリックギターに移り、自らの天性にも目覚めていきました。

  特に影響を受けたギタリストとして、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジ、パコ・デ・ルシア、パット・メセニーなどを挙げ、バンドではブラック・サバス、レッド・ツエッペリン、ディープ・パープル、アイアン・メイデンなどに夢中になっていたようです。

 ギターの絶え間ない練習を積むことにより、彼独自のプレースタイルを確立し、ギターの名手としての評価を不動のものとしています。

 十代のうちにサンパウロでバンドを結成し活躍していましたが、21歳の時、活動を共にするブラジルのパワー・メタル・バンド、アングラがアルバム「Angel’s cry」を発表し、国内外で大ヒットとなりました。

 特に日本で大きな支持を得て10万枚以上を売り上げたようです。

 ソロアーチストとしては、2004年にソロ・デヴュー・アルバム「No Gravity」、2006年にセカンド・アルバム「Universo Inverso」を発表し、その後もバンド活動とともにソロ活動を続けています。

 2015年にバンド、Megadethに加入してからは新たな活躍を見せ、2017年の春にはMegadethのメンバーとして、Best Metal Performance部門でグラミー賞を受賞しています。

 一方、キコ・ルーレイロは、パワーメタルに軸をおきながらも、ブラジル音楽、ジャズ、フュージョン、クラシックをとりいれた作品づくり、パフォーマンスにも挑戦し、非常に豊かな感性を発揮したアルバムづくりを進めています。

 たゆみなく努力し、完璧を目指すキコ・ルーレイロは、限りない可能性とさらなる新しい何かを追求するミュージシャンであり、これからも多くのファンを楽しませてくれることと思います。




【アルバムの紹介】
アルバム:Sounds of Innocence
発表:2012年
スタイル:ハード・ロック    
イメージ:エネルギッシュ  知的 

サウンズ・オブ・イノセンス - キコ・ルーレイロ
サウンズ・オブ・イノセンス

 キコ・ルーレイロの4枚目のソロ・アルバムです。

 メタル系の曲のほか、ジャズ、ロック、フュージョンそしてブラジルのリズム・音楽など、彼の豊かな表現力による楽曲、パフォーマンスが満載となったアルバムです。

 作曲にも時間をかけ、楽曲、パフォーマンス共に完璧を目指すキコ・ルーレイロらしいアルバムで、全曲がギターインストとなっています。

 アルバムは、アコースティックギターによるクラシック風のAwakening Preludeで静かに始まります。

 アルバム全体のイントロというふうにも感じます。

 そして、次のヘヴィーな曲Gray Stone Gatewayと見事につながっていきます。

 この曲は直線的で、時にハード、時にフュージョンといった複雑さも感じますが、トータル的にはシンプルでストレートなハード・ロックの素晴らしい楽曲、パフォーマンスです。

 この曲の直線的な激しさはラテン・クラベスをベースにしているとのことです。

 3曲目はConflicted。速弾きの、とてもキャッチーなフレーズが楽しめる曲ですが、イントロや間奏が静かでクールであったり、劇場的な展開を含む構成・メロディも見られ、これがキコ・ルーレイロなのだと思ってしまいます。

 次はReflectiveで、瞑想的、内省的な美しいメロディに溢れたロックです。

 伸びやかなギターが心を浄化させてくれるような響きをもって歌い上げられていきます。

 El Guajiroはヘヴィ・メタルをラテン風に仕上げたような楽曲で、緊張感があります。

 パーカッションとクラベス、コンガを重要なリズムに位置付け、重量感と不思議なグルーヴ感を楽しませてくれます。

 6曲目のRay of Lifeはメロディアスでバラード風です。

 生命のみずみずしさを感じさせてくれるようなきれいな曲となっています。

 The Hymnはジェフ・ベックへのオマージュとしての楽曲とのことです。

 ブルージーなロックで、独特のグルーブ感が楽しめます。

 Mãe D’Água はブラジルの楽器ビリンバウによるゆったりとしたイントロで始まり、メロディアスなギターがブラジリアン・グルーブを感じさせながら流れていきます。

 “Mãe D’Água”はポルトガル語で「水の母」の意味とのことで、ブラジルの生活や文化の象徴であるアマゾン川を歌い、とてもゆったりとした美しい楽曲となっています。

 9曲目のTwisted Horizonは、文字通り、地平線が逆さまになっているぐらいエネルギッシュでポジティヴな曲で、硬質で複雑なドラム、ベースに支えられながら明るい未来を歌い上げています。

 最後のA Perfect Rhymeはアルバムのエンディングとして静かに終わる曲であるとともに、キコ・ルーレイロの子どもの誕生や家族との生活を考えながら、ピアノで作曲したとのことです。

 ギターとピアノがコラボしながら静かに、祈るように展開していきます。

 ドラムはプログレッシヴ・メタル・バンド、プラネットXなどで活躍したVirgil Donati、ベースはアングラのFelipe Andreoliと硬質、堅牢なリズム・セクションで、このアルバムではそれぞれのソロはありませんが、その堅実性ゆえにキコ・ルーレイロのギターに焦点がいき、輝きを増しています。

 タイトルのInnocence(純粋さ)ですが、CDのセルフ・ライナー・ノーツには、「“純粋さ”は僕たちの心や人生において一番大切にすべきものなんだ。~(中略)~自分の過去と現在を重ね合わせ、遠い過去の純真な時を思い出しながら、同時に今現在でも価値のある“純粋さ”を持ち続ける謙虚さがある。そのお陰で学び、探求し、発展し、分かち合うことが出きるんだ」と語っています。

 タイトル名“Sounds of Innocence”には、発表当時のキコ・ルーレイロの思いや願いなどを“制限なくより自由に、そして限りなく彼らしく表現しながら作品・音楽をつくる”という思い・哲学が凝縮されていると思います。


収録曲(ギターインスト:赤字)

1 Awakening Prelude
2 Gray Stone Gateway
3 Conflicted
4 Reflective
5 El Guajiro
6 Ray Of Life
7 The Hymn
8 Mãe D'Água
9 Twisted Horizon
10 A Perfect Rhyme




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サウンズ・オブ・イノセンス - キコ・ルーレイロ
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