【おすすめのギタリスト】
ギタリスト:Guthrie Govan(ガスリー・ゴーヴァン)
出身地: イギリス
誕生:1971年
活躍期間:1990年代~現在
ジャンル:ロック、ジャズ、フュージョン、ヘヴィメタル
確かなテクニックとジャンル/スタイルの幅広さから、現在、最も注目を浴びるギタリストの一人といわれています。
ソロ・アルバムErotic Cakes(2006年)やバンドAsia、The Aristocratsなどでのギターで話題を集めるとともに、ギターの講師としても活躍し、教則本も執筆しています。
イギリスはエセックス州、チェルムスフォードで生まれ、父の勧めにより3歳からギターを手にし、幼少から父が持つ豊富なレコード・コレクションの影響を受け、幅広く様々な音楽を聴いたとのことです。
たとえば、1950年代のロックンロールをはじめ、ビートルズ、クリーム(エリック・クラプトン)、ジミ・ヘンドリックス、AC/DCなどが好きだったようです。
最も影響を受けたギタリストはジミ・ヘンドリックスとのことです。
主に“耳”による独学でギターの腕を磨き、9歳の時に、兄弟のSeth Govan(リズムギター担当)とともに国内放送の”Ace Report”というテレビ番組(個性的な特技を持つ子どもたちが登場するテレビ番組)に出演し、チャックベリーのSchool Days、ジミ・ヘンドリックスのPurple Hazeを見事に演奏し、地元はじめ国内で有名になっちゃったという経験をしています。
10代にはジャズにも目覚め、音楽テープを聴きながら様々なコードを謎解きのように学んでいったとのことです。
ガスリー・ゴーヴァンは音楽を独学で学びましたが、図書館が大好きな彼は、10代には図書館に足繁く通い、クラシックギターや音楽理論などの専門書を多く読み、耳で学んだことと理論との整合性に感心しながら音楽の学びを広く、深くしていったようです。
地元のグラマー・スクールを卒業後、オックスフォード大学に入学し英語を専攻していますが、ミュージシャンとしての道を追求するため、1年後には退学しています。
この頃(1991年頃)、ゴーヴァンはShrapnel RecordsのMike Varneyにデモ音源を送っています。
Mike Varneyはとても気に入り、レコード制作を申し出ますが、結局のところ、ゴーヴァンが契約を辞退しました。
1993年には、ギタリスト雑誌のコンテスト「Guitarist of the Year」において優勝しています。
バンドAsiaとの関わりは、アルバムAura(2001年)からで、はじめは“とりあえず”のギタリストだったようですが、アルバムの完成により、ツアーの同行もすることとなり、2004年のアルバムSilent Nationにも参加しています。
2006年、ファースト・ソロ・アルバムErotic Cakesをリリースします。
現在考えられるギター奏法のすべてを何の苦も無く演奏できるギタリストの一人と評されるゴーヴァンの満を持してのアルバムでした。
ギターインストのギタリストやファンからは非常に高く評価されているアルバムです。
その後、バンドThe Aristocratsでのアルバム制作、ツアーなどでその超越ぶりを発揮しています。
ジョー・サトリアーニからは“amazing”ギタリストと評されているとのことです。
【アルバムの紹介】
アルバム:Culture Clash
発表:2013年
スタイル:ロック フュージョン ジャズ ハード・フュージョン プログレッシヴ
イメージ:激しく自由に
ガスリー・ゴーヴァンを含む3人によるバンドThe Aristocrats(ジ・アリストクラッツ)が制作したアルバムの2枚目です。
激しく自由に。まさに強力なハード・フュージョン、ハード・プログレッシヴといった感じです。
The Aristocratsのメンバーは、ギターのガスリー・ゴーヴァン、ベースのブライアン・ベラー(Bryan Beller)、ドラムのマルコ・ミンネマン(Marco Minnemann)です。
ブライアンはスティーヴ・ヴァイなどともに、マルコはポール・ギルバートなどとともに演奏する実力者です。
世界最高の超技巧派の3人が集結し、アイデアを繰り出しながら制作されたアルバムで、あらゆるカテゴリーのミュージック・エッセンスが見事なまでに取り入れられていると評されています。
全編に渡り、何が飛び出してくるかわからないスリリングな楽曲の中で、ジャンルを超えたガスリー・ゴーヴァンのギターが縦横無尽に、緩急自在に駆け巡ります。
このアルバムは、ビルボードのContemporary Jazz Chart で8位をたたきました。
3人が(平等に)3曲ずつ作曲し、持ち寄っています。
アルバムは、リズミカルなドラムから始まるDance of the Aristocratsで幕を開けますが、これはマルコの作曲です。
マルコはグルーブ感溢れたOhhhh Nooooならびに、難解で硬質なドラムと緊張感が楽しめるDesert Tornadoを提供しています。
2曲目はタイトル・トラックのCulture Clash。ガスリー・ゴーヴァンの作曲で、時としてメロディアスでリズミカルで、プログレッシヴ風に様々な展開をみせます。
“カルチャー・クラッシュ”のタイトルには、3人がイギリス(ガスリー)、アメリカ(ブライアン)、ドイツ(マルコ)出身ということが暗示されているようです。
ガスリー・ゴーヴァンは、さらにGaping Head Wound、And Finallyとプログレッシヴな曲を提供し、自由に、力強く、知的で挑戦的なギターを畳みかけています。
3曲目は、ガスリー・ゴーヴァンのジャズ風のプレイが聴けるLouisville Stompで、ブライアンの作曲です。
ブライアンは、エキゾチックでカッコよいCocktail Umbrellas、激しく、エネルギッシュなプログレッシヴ曲、Living The Dreamを提供しています。
デビュー作と同様に8日間で制作されたようで、そこにはライブのような臨場感が感じ取れ、全楽曲の中で、正確無比、シャープ、創造性豊か、そんなガスリー・ゴーヴァンのギターが流体的に音を刻んでいきます。
収録曲(ギターインスト:赤字)
1. Dance Of The Aristocrats
2. Culture Clash
3. Louisville Stomp
4. Ohhhh Noooo
5. Gaping Head Wound
6. Desert Tornado
7. Cocktail Umbrellas
8. Living The Dream
9. And Finally
※日本先行発売のCDには次の2曲がボーナストラックとなっています
10. See You Next Tuesday(Live)
11. Erotic Cakes(Live)
(AMAZON)
(AMAZON)
Guthrie Govan - Fives from "Erotic Cakes" at JTCGuitar.com