【おすすめのギタリスト】
ギタリスト:ニール・ショーン
出身地:アメリカ
誕生:1954年
活躍期間:1970年代~現在
ジャンル:ロック ハードロック
アメリカのギタリスト、作曲家で、ロック・バンドJourneyの結成メンバー、中心メンバーとして有名です。
アメリカのオクラホマ州に生まれ、幼少期に家族とともにカリフォルニア州に移ったようです。
5歳頃からギターを手にし、ギターの天才少年と呼ばれ、15歳にはロックバンド・サンタナのセカンド・ギタリストとして迎えられ、1971年にはアルバム「サンタナⅢ」でプロデビューしています。
サンタナへの参加が要請された同じ頃に、エリック・クラプトンからもロックバンドDerek and the Dominoesへの参加について声がかかったとのことです。
サンタナのほうが声をかけられるのが早かったため、そちらになったようです。
サンタナを離れてから、1973年にJourneyを結成し、1975年にデビューアルバム「Journey」をリリースしています。
ロックバンドJourneyでは、結成数年後にボーカルとしてSteve Perryを迎え、1981年に発表したアルバム「ESCAPE」が、全米ビルボード・チャート1位を飾り、彼らの最も大きなヒット作品となりました。
また、ニール・ショーンはJourneyが絶頂期の中、キーボードのヤン・ハマーと組み、1981年に「Untold Passion」、1982年に「Here to Stay」と2枚のアルバムを制作、発表していますが、ニール・ショーンが元来のフュージョン系の音楽に戻ったサウンド作りをしたかったととらえることができるようです。
1989年にJourneyを離れ、ソロ・アルバム「Late Nite」を発表し、その後、2015年のアルバム「Vortex」まで9枚のソロ・アルバムをリリースしています。
Journeyはニール・ショーンを含め、1996年に再結成され、その後、アルバム制作やツアーなど新たな展開を見せています。
ニール・ショーンのギタースタイルは、1960年代のソウル・シンガーからのインスピレーションをとりいれた熱情的なギターで、ブルースとの関連ではB.B.キングに通ずるところが多いとされています。
また、エリック・クラプトン、ジミ・ヘンドリックス、カルロス・サンタナ、ウエス・モンゴメリーの影響を受けたとのことです。
2017年には、Journeyのメンバーとして「ロックの殿堂」入りを果たしています。
【アルバムの紹介】
アルバム:Beyond the Thunder
発表:1995年
スタイル:フュージョン スムースジャズ
イメージ:みずみずしい 抒情的
全曲がまばゆいばかりのギターインストのアルバムです。
フュージョン、スムースジャス、スパニッシュ・テイスト、アコースティックといった感覚が混ぜ合わされたようなサウンドです。
”Beyond the Thunder”には、嵐の熱狂の後の静けさや新しい手触りを拓くというような意味合いが込められているようです。
メンバーには、JourneyのJonathan Cain(キーボード)やSteve Smith(ドラム)、SantanaのChepito Areas(パーカッション)やMichael Carabello(パーカッション)など、長いつきあいのあるプレーヤーを招き、コラボしています。
全曲が素晴らしいという印象です。
ニール・ショーン自身も、「このアルバムはこれまでの最高傑作の一つ」と語っているようです。
アルバムは、ブルージーなBig Moonから始まります。
この曲はJourneyのWho’s Crying Now、I’ll Be All Right Without Youのソロを意識しながら、さらにレベルを上げた仕上がりを目指したとのことですが、実に美しく、クールな名曲だと思います。
ロマンティックなCool Breezeは、ニール・ショーンが敬愛するウェス・モンゴメリー色を取り入れながら、メロディアスでグルーブ感に溢れた曲になっています。
魔法のような優しさが漂うSend Me An Angelはニール・ショーンの奥さんをテーマにした曲で、温かさや細やかさに溢れたフレーズが表現豊かに続き、バラード風になっています。
Boulevard Of Dreams はブルージーでメランコリーな名曲で、ジェームス・ディーンが雨の中をひとり、夢に向かって歩いているポスターを思い浮かべながら曲作りをしたとのことです。
歪みのある音と透き通った音とが、硬質で金属的なサウンド、メロディを伴いながら交錯し、何度聞いても飽きない、実にクールなトラックです。
ギターインストの名曲に推されても不思議はありません。
Espaniqueでは、アコースティックでフラメンコ風のソロ・ギターが小気味よく、しかし緊張感を漂わせながら流れていき、アルバムの中でのアクセントの一つになっています。
Deep Forestでは、みずみずしいアコースティック・ギターの響きやキーボードによるチェロの伴奏が楽しめ、深み、温かみがドラマチックにうたいあげられていきます。
最後の曲Call of the Wildは、狼の遠吠えのようなギターの音から始まりますが、家族を必死で守ろうとする狼の姿をイメージしているようです。
ゆったりと天空を流れるかのようなギター・サウンドには、自然や生命の神聖さが天に広がっていく壮大さを感じます。
作曲は、Someone's Watching Over Me / Iguassa Falls とDeep Forestがニール・ショーンによるもので、そのほかは全てニール・ショーンとジョナサン・ケインの二人によるものです。
演奏は勿論ですが、作曲もファンの心をグッとつかんでしまう才能に溢れています。
収録曲(ギターインスト:赤字)
1.Big Moon
2. Bandalero
3. Cool Breeze
4. Zanzibar
5. Send Me An Angel
6. Boulevard Of Dreams
7. Espanique
8. Carribean Blue
9. Someone's Watching Over Me / Iguassa Falls
10. Deep Forest
11. Call Of The Wild
(AMAZON)
Neal Schon - The Calling (Official Video)