【おすすめのギタリスト】
ギタリスト:Shawn Lane
出身地:アメリカ
誕生:1963年
活躍期間:1970年代~2003年
ジャンル: フュージョン ロック
在籍歴:Black Oak Arkansas
アメリカはテネシー州・メンフィス出身のギタリスト、作曲家です。
なんといっても、超高速のテクニカルなプレイが有名です。
4歳でチェロ、ピアノを学びはじめ、10歳でギターを手にし、めきめきと腕を磨き、12歳にはメンフィスのクラブでブルーズ/ロックをプレイしていたようです。
15歳にはメンフィス界隈において、ギターの神童として知られ、これがサザン・ロック・バンドBlack Oak Arkansasのオーディションを受けることにつながり、1978年、15歳でメンバーとなりました。
BOKでのツアーが数年続いた後、ツアーに疲れた彼はBOKを離れ、ギターを弾くことを抑制し、ピアノを学んだり、音楽理論や作曲などを本、映像、レコードなどで学んだりすることに時間を費やしました。
1980年代中頃、ショーン・レインはギターを手にして再びミュージックシーンに登場します。
地元メンフィスでは、彼は仲間とのバンドでジミ・ヘンドリックスやZZ TOPなどのカバー曲を演奏していたようですが、その後、マイク・バーニーがプロデュースするアルバム「U.S.Metal vol4」に参加し、Stratosphere Ⅱを残すことになります。
このトラックは、プロとしてリリースされたものとしては、彼の最初のレコーディング作品のようですが、シュレッド・ギターが炸裂し、とても迫力のある演奏です。
その後、1992年に最初のスタジオ・ソロアルバム「Powers of Ten」をリリースし、ほとばしる超高速ギターによるショーン・レイン節を広く披露することができ、Guitar Player Magazine誌の”Best New Talent”賞を獲得したとのことです。
ファンからの支持が非常に高いアルバムですが、現在、入手が難しいようです。
その頃録音したライブ「Powers of Ten Live!」が、2001年になってようやくアルバムとしてリリースされ、この作品も多くのファンからの支持を得ています。
1999年、待ちに待ったセカンド・ソロアルバム「Tri-Tone Fascination」がリリースされ、ギタリストとしての卓越した面のみならず多才なアーティストとしての姿を再びファンに示すことができました。
一方、ショーン・レインはスウェーデンのベーシストJonas Hellborg(ヨナス・ヘルボーグ)とコラボレートしながら素晴らしい作品を1994年に初めて制作しましたが、その後も二人のコラボは長く続き、「Personae」(2002年)など、評価の高いロック・フュージョンのアルバムを数多くリリースしています。
「自分のギターが歌っている瞬間は、Jonas Hellborgとコラボしている時だ」と実感していたのでしょう。
また、ショーン・レインは、リンゴ・スター、ジョー・ウォルッシュなど多くのミュージシャンとも共演する経歴も持っていました。
難病を患っていたショーン・レインは、2000年ごろから、再び体調を崩しますが、2003年にはインドでのツアーが敢行され、成功裏に終わり、その後小さなヨーロッパツアーも行われました。
しかし、その後病状が重くなり、同年9月にテネシー州メンフィスの病院で逝去しました。
これまで多くのギタリストやファンから称賛をあびたショーン・レインですが、これからも多くのギタリストに影響を与え続けるギタリストといわれています。
【アルバムの紹介】
アルバム:The Tri-Tone Fascination
発表:1999年
スタイル:フュージョン ロック
イメージ:エネルギッシュ プログレッシヴ
ショーン・レインのスタジオ・ソロアルバムの2作目です。
多くの曲は彼の作曲で、ほとんどの曲を彼が一人で演奏しています(ギター、ベース、ドラム、キーボードなど)。
作曲家、アレンジャーとしての才能の素晴らしさも遺憾なく発揮したアルバムで、 ロック、ブルース、フュージョン、クラッシックなど彼の幅広いテリトリーが示されています。
幕開けの曲Kaiser Nancarrowはショーン・レインが敬愛する二人のミュージシャン(ギタリストHenry Kaiserと”自動ピアノのための作曲”で有名なConlon Nancarrow)の名前を由来としたロック/フュージョンです。
Peace in Mississippiはジミ・ヘンドリックスの名曲のカバーで、ショーン・レイン流のソロが入るなど熱く仕上がっています。
Minaretsは、セッション・ミュージシャンを迎えての緊張感のある、硬質なフュージョンです。
The Way It Has to Beはバラード風で、速弾きがあるにもかかわらず、ゆったりとギターが広がりを持って歌っています。
Tri-7/5は、ショーン・レインのギターとキーボードが交錯しながら進み、クラシカルな香りも漂うフュージョン。
The Hurt The Joyもセッション・ミュージシャンを迎えてのトラックで、美しいメロディラインが印象的です。
Mariaからの後半の曲は、伸びやかなギターを聴きながら、バラード風の曲、クラシカルな曲などショーン・レインの幅の広さ、多彩さを教えてくれる曲が続きます。
最終曲のEpilogueはバッハの「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」で、キーボードによる、ギターなしのトラックです。
ボーナストラックの曲は、The Way It Has to Beと雰囲気が似ている、ゆったりとしたギターフュージョンです。
このアルバムでは、ショーン・レインの澄み切ったトーンによる、流体的な、留まることを知らない、そして情緒的なギターサウンドを楽しめます。
また、彼が作曲の才能に溢れ、音楽を広く深く捉えていること、さらに彼が一流のピアニストであることなどをあわせて感じることができるアルバムとなっています。
収録曲(ギターインスト:赤字)
1 Kaiser Nancarrow
2 Peace in Mississippi
3 Minarets
4 The Way It Has to Be
5 Tri-7/5
6 Art Tatum
7 The Hurt The Joy
8 Maria
9 One Note at a Time
10 Song for Diane
11 Epilogue (Ich Ruf Zu Dir)
12 I Only Want to Know (bonus track for japan)
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Personae
The Way It Has to Be - Shawn Lane