【おすすめのギタリスト】
ギタリスト:Jason Becker
出身地:アメリカ
誕生:1968年
活躍期間:1980年代~現在
ジャンル:ロック
在籍歴: Cacophony
ジェイソン・ベッカーは、アメリカ出身のヘヴィメタルのギタリスト、作曲家です。
ネオクラシカル系のギタリストとして活躍し、マーティ・フリードマンとともに結成したバンドCacophonyでの輝きやソロ・アルバムでの超絶技巧によるギターワークなどで、多くのファンを魅了しています。
ジェイソン・ベッカーは、アメリカ・カリフォルニア州のリッチモンドで生まれ育ちました。
クラシック・ギターを弾く父とジャズ・ギター(ブルースという情報もあります)を弾く叔父の影響を受け、5歳頃からギターを手にしたとのことです。
若い頃にはボブ・ディラン、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミ・ヘンドリックス、エディ・ヴァン・ヘイレンなどの影響を受けたようです。
15歳の時、イングヴェイ・マルムスティーンの Black Star を自分のハイスクール(Kennedy High School)のタレント・ショーで演奏しています(Youtubeで見ることができます)。
また、バイオリニスト・パガニーニの作品を学び、影響を受け、パガニーニの5th Capriceをギター向けに構成し、演奏しています(これもYoutubeで見られます)。
ジェイソン・ベッカーは世界中の音楽を広く学び、多様な異なるサウンドをとりいれながら、彼独自の音楽を作り上げているといわれています。
16歳の時に、マーティ・フリードマンと出会い、無二の親友になるとともに、後に一緒にレコードを制作することになります。
1987年に、Cacophonyのファースト・アルバム「Speed Metal Symphony」をマイク・バーニーのプロデュースによりシュラプネルから発表し、超絶技巧のギタリストとして広く知られることとなりました。
このアルバムは、すでに多くのファンからネオクラシカル・ロックのクラシック(古典)と呼ばれているようです。
その後、Cacophonyは2枚目のアルバムとして「Go Off!」(1988年)をリリースしています。
ジェイソン・ベッカーのファースト・ソロ・アルバムは、1988年の「Perpetual Burn」で、ネオクラシカル系の速弾きのすごい作品が世界を驚かせます。
この時、アメリカなどでツアーを行い、来日も果たしています。
20歳の時にスティーヴ・ヴァイの代わりとしてDavid Lee Roth’s Bandに参加し、アルバム「A Little Ain’t Enough」(1991年)を発表しますが、その制作の間にALS(筋萎縮性側索硬化症)にかかり、少しずつ体調を崩していきました。
1996年には、治療を続ける中、友人のミュージシャンの力を借りるなどしてセカンド・ソロ・アルバム「Perspective」のリリースを成し遂げ、その後も未発表曲を集めたアルバムを発表するなどしています。
現在はギターを握ったり、話したりできない状況ですが、闘病生活をしながら音楽活動をしており、回復を祈るばかりです。
【アルバムの紹介】
アルバム:Perpetual Burn
発表:1988年
スタイル:ハードロック ヘヴィメタル ネオクラシカル
イメージ:超絶技巧 速弾き エネルギッシュ 洗練
ジェイソン・ベッカーのファースト・ソロ・アルバムです。
ジェイソン・ベッカーの疾走感あふれるフレットワーク、力強くタイトなAtma Anurのドラム、そして無二の親友マーティ・フリードマンの躍動的なギター・ソロが存分に味わえるアルバムです。
シュレッド・ギター界のアルバムの中でも最高の一つと高く評価されています。
彼の作曲家としての才能にも驚かされるアルバムで、しかも制作している時は、まだ18歳だったとのことです。
オープニングのAltitudesはドラマチックで格調の高さを感じさせる楽曲で、ジェイソン・ベッカーのギターが、烈しい熱情や空高く駆け巡るメロディラインをリード・ボーカルのように謳いあげます。
また、スピード感に溢れるスウィープ・アルペジオにも聞き入ってしまいます。
2曲目のタイトル・トラックPerpetual Burnは、非常にタイトであり、かつ重厚な楽曲で、ネオクラシカル/メタル・ファンにとってはこの上なく魅力的なサウンドにあふれており、必聴の曲となっていると思われます。
この1曲目、2曲目はギターインストの名曲といわれます。
4曲目のAirはモーツアルトの影響を受けた楽曲で、クリーン・トーンのギターでプレイし、心奪われるほどに聞き入ってしまうほど美しいとともに、楽曲としても高く評価されている曲です(彼自身がモーツアルトがとても好きだとのことです)。
クラシック・ギターの弾き方を父から学び、この曲はご両親に捧げた曲とのことです。
3曲目Mabel's Fatal Fable、5曲目Temple Of The Absurdなどその他のすべての曲は、激しくも美しい曲であるだけでなく、予想を超えたメロディが次々と飛び出し、新しい展開を繰り広げますが、ファンはそれを可能にするジェイソン・ベッカーのテクニックのすごさもあらためて知ることとなります。
Eleven Blue Egyptiansでは重厚なロックのイントロの後に、アラベスク風のリフが迫力を持続させながら続き、ずっと魅了されますが、最後にはブルースの大きなうねりへと変化し、始めから終わりまで楽しませてくれるというような具合です。
このアルバムでは、ジェイソン・ベッカーは、ギターのほかにベースとキーボードをプレイしています。
ギター・ソロでは、マーティ・フリードマンが5、6,7曲目で参加しています。
全曲をジェイソン・ベッカーが作曲し、5、6曲目のみマーティ・フリードマンとの共作です。
ジェイソン・ベッカーは、彼のオフィシャルサイトで、このアルバムを制作した頃の思い出として、音楽の無限の可能性を愛し、楽しんでいたことや、自らが持つ技法・テクニックのお陰で自分が想い描くほとんどのこと(音楽)を成し遂げることができたと語っています。
収録曲 (ギターインスト:赤字)
1 Altitudes
2 Perpetual Burn
3 Mabel's Fatal Fable
4 Air
5 Temple Of The Absurd
6 Eleven Blue Egyptians
7 Dweller In The Cellar
8 Opus Pocus
(AMAZON)
Perpetual Burn
Eleven Blue Egyptians - Jason Becker