■Janne Schaffer(ヤンネ・シャッフェル)■



【おすすめのギタリスト】
ギタリスト:Janne Schaffer
出身地:スウェーデン
誕生:1945年
活躍期間:1960年代~現在
ジャンル:ロック  フュージョン
在籍歴:ABBA  Electric Banana Band
 
 スウェーデン出身の卓越したギタリスト、作曲家、セッション・ミュージシャンです。
 ジャズ、ブルース、フォーク・ミュージック、ファンク、ディスコ・ミュージックなど幅広い音楽を思いのままにミックスしながら曲作りをし、主にエレクトリック・ギターで豊かに表現します。

 北欧を中心にヨーロッパにおいて、アルバム制作やライブなどで、多くのミュージシャンから声がかかるギタリストとして長く活躍してきました。
 スウェーデンのABBAのバック・バンドのギタリストとしてもその名を知られています。
 また、ジャズ・ロックやフュージョンのギタリストとして、スウェーデンではジェフ・ベックとの類似性や比較などもよく話題になるようです。

 1978年に、4枚目のソロアルバム「EARMEAL」をアメリカで制作、リリースし、大きな注目をあびましたが、今年(2017年)、その「イアーミール」を含むデジタル・リマスター版CD(2枚組)が発売されました。
 あらためて、傾聴するに値するアルバムということであり、多くのファンが、このリマスターを待ちかねていたと思います。

 ヤンネ・シャッフェルは、ストックホルムに生まれ育ち、母はピアノ教師、父はバイオリニストとのことです。
 ピアノを最初に習うのですが、むしろギターに憑りつかれるようになり、12歳の時、学校の工芸の授業で自らがアコースティック・ギターを制作したとのことです。
 
 60年代には、スウェーデンでいくつかのロック・バンドに参加し、ギタリストとしての腕を磨き、ミュージシャンとしての経験を積んでいきました。
 
 60年代中頃には、ストックホルムでスウェーデン・テレビジョンのTVレコーディングに参加したのですが、その時、あのジミ・ヘンドリックスも参加しており、とても印象深い時間を過ごした記憶があるとのことです。

 1970年代に入り、セッション・ミュージシャンとして活躍をはじめ、Bob Marleyと共演したり、アバのレコーディングに参加するなど、ミュージシャンとしてのフィールドを広げていきました。

 1973年に、デビュー・ソロ・アルバム「Janne Schaffer」をリリースし、大きなヒットとなりました。

 1976年に3枚目のソロアルバム「Katharsis」、1978年に「Earmeal」、1980年に5枚目の「Presens」の3枚のソロアルバムをCBSレコードから続けてリリースしています。
 
 また、1977年モントルー・ジャズ・フェスティバルに、CBS Jazz All Stars(Eric GaleやSteve Khanなど)とともに参加しています。

 現在もスウェーデンに在住し、ギタリスト、作曲家、レコード・プロデューサー、アレンジャーなどとして、ステージやスタジオで忙しくしているようです。
 


【アルバムの紹介】
アルバム:JANNE SCHAFFER  Katharsis/Earmeal/Presens(デジタル・リマスターCD2枚組)
発表(発売):2017年
スタイル:フュージョン  ジャズ・ロック 
イメージ:新鮮  明るい  繊細  北欧的(?) 

KATHARSIS / EARMEAL / PRESENS - JANNE SCHAFFER
KATHARSIS / EARMEAL / PRESENS - JANNE SCHAFFER

 このCDは2枚組になっていて、1枚目にKatharsis全曲とEarmealの前半4曲が収録され、2枚目にEarmealの後半5曲とPresens全曲が収録されています。
 ファンにとっては、聴きたい曲が何でもそろっている、料理でいうならバイキングのような楽しさ、贅沢さが感じられるアルバムです。

 個人的には、アルバムとしてはEarmeal、Katharsis、Presensの順で気に入っています。ファンからの評価も同じように思われます。


■■アルバム「KATARSIS」(1976年)■■ 
 タイトル名KATARSISは、ヤンネ・シャッフェルによると、ギリシャ語からきており、感情の浄化という意味があるとのことです。
 ストックホルムで制作され、参加ミュージシャンも彼が長く共にプレイしてきた仲間とのことです。

 このアルバムは最初、スウェーデンで発表され、その後、アメリカでもリリースされることになります。
 その際、音楽雑誌「ローリング・ストーン」誌にKatharsisを高く評価する批評記事が掲載され、ヤンネ・シャッフェルによると、当時はスウェーデン出身のギタリストとしてはレアなことであり、Al Di MeolaやRoy Buchananと比較して紹介されることが楽しかったようです。

 アルバムは、ゆったりとした軽快なノリで少しトロピカルな感じのBromma Struttin’から始まり、ここでは、Talk Boxを使ってのプレイが聴けます。

 2曲目のStocking Suite: Allegro/Adagioでは、目まぐるしく速く、かつ巧みなリフが続くタイトなプレイに惹かれます。後半は、メロディアスでソウルフルなギターソロにとってかわり、夢想的な世界へと導かれていきます。

 3曲目のBlue Gateは東洋的な響きを取り入れたフュージョン・ナンバー。

 Dimbaa Jullowは複雑なリズムの中でのバイオリンとの競演が続き、Ramsaではフルートとの競演でギターはアコースティック・ギターを使っています。

 Atlanta Inn 2419では、ゆっくりとしたファンク色のベースやドラムの上を緊張感のあるギターソロが続きます。
 再びTalk Boxを使っていて、ギターの伸びのある響きや弾けるサウンドを楽しませてくれます。

 Red Gateはロックっぽい、力強さをイメージさせるナンバーで、新鮮なリフ、メロディによるギターが続きます。

 Wintergreenはエピローグにふさわしく、アコースティック・ギターによる瞑想的、賛美歌的なナンバーとなっています。

 アルバムのプロデュース、全曲の作曲をヤンネ・シャッフェルが行っています。
 

収録曲(ギターインスト:赤字)
1.Bromma Struttin'
2.Stocking Suite: Allegro/Adagio
3.Blue Gate
4. Dimbaa Jullow
5. Ramsa
6. Atlanta Inn 2419
7. Red Gate
8. Wintergreen




■■アルバム「EARMEAL」(1978年)■■ 
 ヤンネ・シャッフェルが初めてアメリカで制作したアルバムです。
 セッションメンバーとして、ドラム、キーボード、ベース、パーカッションにTOTOのメンバー(ポーカロ兄弟と父親)を迎えています。
 ヤンネ・シャッフェルの才能をより広いミュージックシーンで花開かせ、アメリカを含むワールドワイドなヒットを意図した制作の姿勢がうかがえます。

 オープニングのDays and Summer Nightsは、元気いっぱいのジャズ・ファンクでアラベスク調のギターが特徴で、マリンバが追っかけで入ってくるのも面白いです。

 2曲目のHappy Feetは、多くのファンが好きな曲の一つだと思います。
ポップな雰囲気の中で、わかりやすい、覚えやすい、明るく歌うギターソロによってテンションが上がります。

 To a Beautiful Painterでは、エレガントなバラードを聴かせてくれます。

 Bromma Express(急行列車)ですが、Brommaは湖や公園があるストックホルムの町で、ヤンネ・シャッフェルが長く住んでいる町のようです。
 明るく、楽しそうな雰囲気のファンク調の曲で、スペイン風のサウンドも入っています。

 多くのファンが楽しみにしている曲のもう一つが、The Shrimpではないでしょうか。
 文字通り、小エビが弾けるようなノリ、グルーブ感で溢れていて、ダンサブルな曲です。

 It's Never Too Lateも溌溂とした曲です。流れるようなリズムセクションの上をそよ風が吹くような感じでギターソロが自由奔放に飛び交います。

 Frederick's Placeですが、Frederickはヤンネ・シャッフェルの息子さんの名前だそうです。
 アコースティック・ギター、アコーステック・ピアノ、ベースのトリオによる瞑想的な曲で、やさしく抒情的な曲で、美しいスウェーデンの牧歌的な風景も連想してしまいます。

 全曲の作曲、アレンジはヤンネ・シャッフェルによるものです。
 

収録曲(ギターインスト:赤字)
1. Hot Days and Summer Nights
2. Happy Feet
3. To a Beautiful Painter
4. Bromma Express
5. Shrimp
6. Shrimp a la Carte
7. It's Never Too Late
8. Oriental Sign
9. Frederick's Place



■■アルバム「PRESENS」(1980年)■■ 
 このアルバムは、アメリカではなく、ABBAのアルバムが制作されたスタジオも含め、ストックホルムのスタジオで制作されました。
 
 セッションのメンバーは、主にヤンネ・シャッフェルがこれまで共に演奏してきた北欧の仲間たちとのことです。

 快活なポップ・ロックでディスコ調のMr Allansson Picklesでこのアルバムは幕を開けます。
この曲は、当時、スウェーデンでシングルカットされたようです。

 次に、ロック調の、ストレートに元気なThe Tongueへと続きます。
 ギターソロも大きくうねりながら、伸びやかにヤンネ節が炸裂しているといった感じです。 
 
 NeonmoistureFata Morganaはともに静かで美しいバラードですが、Fata Morganaの方はより大掛かりで瞑想的な響きのあるバラードになっています。

 March From Refresher CourseEvening at Alexは、スカンジナビアのフォーク・ミュージックを取り入れて、躍動的な楽しさを醸し出しています。
 Evening at Alexではさらに中近東のメロディもミックスさせ、ヤンネ・シャッフェルのミュージシャンとしての幅の広さを感じさせてくれます。

 エンディングのDiesireは、ミュージシャンとして付き合いの長いBjorn J:son Lindhによるシンセサイザーの不思議な、瞑想的な音から始まり、やがてヤンネ・シャッフェルの霊感にあふれたギターが全体を覆っていくように流れていきます。
 その後の彼らの方向性を暗示しているような気もします。

 全曲がヤンネ・シャッフェルの作曲となっています。(Neonmoistureは、ベースのChristian Veltmanとの共作)
 
収録曲(ギターインスト:赤字)
1. Mr Allansson Pickles
2.The Tongue
3. Neonmoisture
4. March From Refresher Course
5. Fata Morgana
6. High Pitch
7. Evening at Alex
8. Open Eyes
9. Diesire




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KATHARSIS / EARMEAL / PRESENS - JANNE SCHAFFER
KATHARSIS / EARMEAL / PRESENS - JANNE SCHAFFER