【おすすめのギタリスト】
ギタリスト:Jan Akkerman
出身地:オランダ
誕生:1946年
活躍期間:1950年代~現在
ジャンル:プログレッシブ・ロック フュージョン
在籍歴: FOCUS
オランダ・アムステルダムに生まれ、5歳でギターを手にし、学び始めました。
家庭では父がギターをたしなみ、母はアコーディオンを演奏していたとのことです。
1958年に11歳でバンド(Jonny & His Cellar Rockers)に加入し、1960年に13歳でそのバンドとともにファースト・シングルをリリースした経歴を持っています。
その後、ギターの腕を磨く中で、有名なアムステルダムの音楽学院の奨学生になることができ、作曲や編曲などについて5年間学んでいます。
また、1960年代中頃には、イギリスを訪問する機会を持ち、その時にクラシック・ギターとリュートの名演奏者であるJulian Breamの演奏に触れました。
Julian Breamは中世のリュートを演奏していましたが、ヤン・アッカーマンはその素晴らしさに心打たれ、中世のイギリス音楽やイギリスのカントリーサイドの風景などに取りつかれるようになったようです。
1970年にバンドFOCUSに参加し、アルバム「In and Out of Focus」(1970)をリリースしました。
その後、FOCUSはメンバーを変えながらも、セカンド・アルバム「Moving Waves」(1971)、サード・アルバム「FocusⅢ」(1972)、ライブアルバム「Focus at the Rainbow」(1973)などを次々に発表していきました。
この頃、クラシックからロック、ブルース、ラテン音楽などを一体化させたプログレッシブ・ロックを拓き、一世を風靡していましたが、ヤン・アッカーマンのギター・ワークの素晴らしさは群を抜いていました。
当時のイギリスの音楽雑誌「Melody Maker」の読者投票では、クラプトンやジェフ・ベック、ジミー・ペイジを差し置いて、ヤン・アッカーマンがベスト・インターナショナル・ギタリストに選ばれていたとのことです。
1976年にFOCUSを離れ、ソロの活動や、多くのミュージシャンたちとのコラボレーションを続けていきました。
ソロのファースト・アルバムは1973年に、「Profile」をリリースしています。
その後、現在まで、数々のアルバムを発表するほか、オランダのみでなく日本も含め世界中でコンサートなどに参加するなど活躍を続けています。
【アルバムの紹介 ~その1~】
アルバム:C.U. Japan Edition
発表:2006年
スタイル:フュージョン ジャズ・ロック
イメージ:エンジョイ リラックス
2003年に発表されたアルバム「C.U.」に、ボーナス・トラック1曲を加え、来日記念として日本でリリースされたものです。
来日の際、六本木でのライブ会場でも販売されました。
デビューの頃のプログレッシブ・ロックと異なる音作りで、昔を知るファンには驚きのことと思います。
このアルバムでは、プログラミングされたドラムやキーボードなどの人工音にのせてヤン・アッカーマンのエッジのきいたギターが炸裂します。
スムーズ・エレクトリック・ジャズというふうなアルバムです。
中世のクラシカルな英国を思い浮かばせるかのような以前のプレイとの違いが驚きかもしれませんが、これもヤン・アッカーマンの素晴らしさを届けてくれる一枚です。
ジャケットの解説によると、このアルバムのヒントは、昔、FOCUS時代にシカゴで観たライブのコンセプトにあるとのことです。
もともと彼は「機械が鳴らす音はしょせん人工音に過ぎない」と思って(見下して)いたのですが、そのライブではその固定観念が根底から覆されるくらいに飛び切りいい音楽で、それがずっと忘れられなかったとのことです。
このアルバムでは、そのような音作りを再生(Re-Birth)する機会を得たということのようです。
オランダで活躍する、ダンスミュージックのグループSoulvationとともに作り上げたアルバムです。
因みに、タイトルの「C.U.」は、「See you(それじゃあ、また)」の意味とのこと。
魅惑的なファンク系の曲や、クラブに流れるハウス・ミュージックのような曲など、Groove感にあふれたアルバムになっています。
収録曲(ギターインスト:赤字)
1. See You
2. In Between The Sheets
3. I’m In The Mode
4. Dance The Blues Away
5. Cottonboy
6. Kloenk
7. Blowing
8. Slow Man
9. Urbanstrings
10. Urbanstrings (LIVE/ボーナス・トラック)
(AMAZON)
C.U. Japan Edition
【アルバムの紹介 ~その2~】
アルバム:Jan Akkerman (日本名タイトル「寛ぎの時」)
発表:1978年
スタイル:フュージョン ジャズ・ロック
イメージ:詩的・文学的 独特の雰囲気 少し複雑? 緻密 ヨーロッパ的?
FOCUSの作品ではなく、オランダ・ロック界の巨匠ヤン・アッカーマンのソロアルバムの5作目です。
彼の作品の中では、比較的、日本では評価の高いアルバムです。
クラシックやジャズ、ロックを昇華させ、類いまれなギター・テクニックと音楽性を武器に広く活躍していたヤン・アッカーマンが、フュージョン系の音楽に取り組んだ作品です。
1曲目は、軽快なノリのリズムの上を少し控えめにして、それでもキレのあるギターが冴えわたります。
2曲目は、スリリングな中で、ピアノのJoachim Kuhnと掛け合っていく楽しさが何とも言えません。
4曲目では、ギターの多様な表情が表出され、聞き入ってしまうとともに、突然飛び出てくる様々なギター・フレーズは何度聞いても新鮮です。
そのほかのトラックは、宇宙の広がりや抒情的な雰囲気を醸し出す作品になっており、プログレで名を馳せた彼ならではの曲作りです。
特に、最後の曲(6曲目Gate to Europe)は、アコースティック・ギターによるプレイで、バックにストリングスも入っており、プログレファンが最も納得しそうな仕上がりになっています。
全曲がヤン・アッカーマンの作曲となっています。
収録曲(ギターインスト:赤字)
1. Crackers
2. Angel Watch
3. Pavane
4. Streetwalker
5. Skydancer
6. Floatin'
7. Gate To Europe
(AMAZON)
Jan Akkerman
Jan Akkerman - Streetwalke