■渡辺 香津美■



【おすすめのギタリスト】
ギタリスト:渡辺 香津美
出身地:東京
誕生:1953年
活躍期間:1970年代~現在
ジャンル:ジャズ フュージョン
在籍歴: KYLYN




 日本が世界に誇るトップ・ジャズ・ギタリストです。

 フュージョン界で長く、インストゥルメンタル・ミュージックを創造し続け、ギターインストのスーパー・プレーヤーとして名声を得ています。

 中学2年生の時にベンチャーズに興味を持ち、渋谷にあるギター教室に通い、仲間とバンド結成し、高校時代には、ヤマハ音楽教室でジャズギターを学びました。

 高校2年生の時に今田勝クインテットに入団しています。

 1971年に、17歳でデビューアルバム「Infinit」を発表し、大きな話題となりました。

 1979年に、坂本龍一らとバンドKYLYN(きりん)を結成し、同年、YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)のワールドツアーへ参加し、世界のKAZUMIとして活躍の場を広げていきました。

 1983年には、ジャズ・ロックのバンドMoboを結成し、今でも人気の高いアルバム「Mobo」(1983年)や「Mobo Splash」(1985年)などをリリースしました。

 現在に至るまで、クラッシック、ジャズ、ロック、民俗音楽など幅広くプレイし、多くのアルバムをリリースするとともに、ジャコ・パストリアス、リー・リトナー、ステイーヴ・ガッドなど内外のトップミュージシャンとの共演も多く、国内はもとより世界中でプレイしています。





【アルバムの紹介 ~その1~】
アルバム:TO CHI KA
発表:1980年
スタイル:フュージョン ジャズ・ロック
イメージ:エネルギッシュ 研ぎ澄まされている  ニューヨークの香り




 このアルバムは、渡辺香津美の最高傑作の一つとして、また、日本のジャズ・フュージョンにおける金字塔としてよく紹介されます。

 ニューヨークで、マーカス・ミラー(bass)などアメリカのミュージシャンと渡り合って制作・録音し、ニューヨークの香りがしそうなアルバムです。

 全曲が渡辺香津美の作曲で、プロデュースはビブラフォン奏者のマイク・マイニエリ(Mike Mainieri)で、どの曲も固唾をのんで聴き入ってしまいます。

 ギターインストの名曲として紹介される曲も多く、ロック色の強い1曲目LIQUID FINGERS 4曲目UNICORN、ジャズ色の強い3曲目TOCHIKA、7曲目MANHATTAN FLU DANCEなどが存在感を増して輝いています。

 特に、UNICORNは、名曲中の名曲と言っていいほど有名なトラックです。


収録曲(ギターインスト:赤字)
1.LIQUID FINGERS
2.BLACK CANAL
3.TO CHI KA
4.COKUMO ISLAND
5.UNICORN
6.DON'T BE SILLY
7.SAYONARA
8.MANHATTAN FLU DANCE



(AMAZON)
TO CHI KA








【アルバムの紹介 ~その2~】
アルバム:Spice of Life
発表:1987年
スタイル:フュージョン ジャズ・ロック
イメージ:エネルギッシュ 研ぎ澄まされている 緊張感

 


 ビル・ブルフォード(Bill Bruford:Drums)、ジェフ・バーリン(Jeff Berlin:Bass)とのトリオでのプレイです。

 ジャズ・ロックが好きなファンには夢のような、絶品の出来栄えだと思います。

 ビル・ブルフォードはイエスやキングクリムゾンに在籍した経歴を持つ、英プログレッシブ・ロック界を代表するドラマーであり、ローリング・ストーン誌の選ぶ「歴史上最も偉大な100人のドラマー」において6位となっている実力者。

 ジェフ・バーリンは、アメリカのベーシストで、バークリー音楽大学で学び、ビル・ブルフォードとのセッションでよく活躍しています。

 渡辺香津美は、アコースティック・ギターによるアルバムやクラシックを取り入れたアルバムなどもありますが、このアルバムでは、エレクトリック・ギターをガンガン弾いています。

 また、ジャズ・フュージョンというより、プログレッシブ・ロック風のフュージョン(?)です。

 ノリの良いドラムと重厚なベースと、歯切れのよい、時にメロディアスな渡辺香津美のギターとが拮抗しながらプレイされていきます。

 どの曲も緊張感があり、エネルギッシュです。

 6曲目はビル・ブルフォードと渡辺香津美、8曲目はジェフ・バーリンと渡辺香津美、9曲目は3人で、そのほかの6曲は全て渡辺香津美のみの作曲となっています。

 渡辺香津美の作曲家としての、ミュージシャンとしての魅力にも触れることができるアルバムです。


収録曲(ギターインスト:赤字)
1. Melancho
2. Hiper K
3. City
4. Period
5. UNT
6. Na Starovia
7. Lim-Poo
8. J.F.K.
9. Rage In


(AMAZON)
Spice of Life



【アルバムの紹介 ~その3~】
アルバム:Spice of Life 2
発表:1988年
スタイル:フュージョン ジャズ・ロック
イメージ:エネルギッシュ 研ぎ澄まされている 




 前年にリリースされたSpice of Lifeの3人に、キーボードとして、イギリス出身のピーター・ヴェテッシ(Peter Vettese)を迎えてのアルバムです。

 ピーター・ヴェテッシは、セッションミュージシャンとして、ポールマッカートニーと共演したこともあるようです。

 このアルバムはSpice of Lifeの続編といってよいと思いますが、リズムセクションのプレイがやや控えめになり、渡辺香津美の多彩なギターワークや音色が前面に出ているように感じます。

 どの曲も渡辺香津美のプログレッシブなジャズ・ロック・ギターが全開ですが、特に4曲目のRainは、ギターインストの名曲として紹介されることもあるようです。

 作曲は、1,2,4,7は渡辺香津美のみの作曲で、3は渡辺、ビル、ジェフによるもの、5と8はビルによるもの、6は渡辺とジェフによるものとなっています。

 いつもですが、作曲の素晴らしさも感服です。


収録曲(ギターインスト:赤字) 
1,Andre
2.We Planet
3.Fu Bu Ki
4.Rain
5.Small Wonder
6.Concrete Cow
7.Kaimon
8.Men And Angels



(AMAZON)
Spice of Life 2




Kazumi Watanabe, Marcus Miller - Tokyo Jazz 2010 - "Unicorn"