■Larry Carlton(ラリー・カールトン)■   


【おすすめのギタリスト】
ギタリスト:Larry Carlton(ラリー・カールトン)
出身地:カナダ
誕生:1948年
活動期間:1970年代~現在
ジャンル:ジャズ ブルース
在籍歴:フォープレイ
 
 日本でフュージョンという言葉がよく聞かれるようになった1980年前後に、ラリー・カールトンのレコードをよく買い集めました。

 よく伸びるトーン、歌いまくるフレーズの連続、小気味よいファンキーなノリ、それでいて優しい音色など、彼のギターは多くのファンの心をつかんでいましたが、それは、今も変わりません。

 ラリー・カールトンはアメリカ・カリフォルニア州トーレンス出身。

 4度のグラミー賞に輝くギターヒーローです。6歳からギターを弾き始め、中学生の頃にはクラブで演奏し、その頃、ジョー・パスやBBキングを聴いて、ジャズやブルースに興味を持つように。

 その後、LAハーバー大学、ロングビーチ州立大学で本格的に音楽を学びました。

 1971年から1977年まで伝説のジャズ・ロック・グループ、ザ・クルセダーズに参加しましたが、1978年に、ソロ活動を進めるためワーナーブラザーズと契約し、1984年までに大傑作「夜の彷徨」など6枚のソロアルバムを発表しました。
 
 その後、MCAと契約し、アルバムを発表していきますが、1988年、自宅近くで暴漢に拳銃で撃たれる事件が起きました。

 幸い一命はとりとめるも、再起が危ぶまれる中、適切な治療、必死のリハビリ、ポジティブな精神力などにより、見事カムバックし、制作が途中になっていたアルバム「オン・ソリッド・グラウンド」を1989年にリリースしました。

 1990年代には、多くのツアーに参加したり、多くのミュージシャンとの交流も増えていき、リー・リトナーやスティーヴ・ルカサーとの共演なども行い、それぞれのコラボによるアルバムもリリースしています。

 その後も、アルバム制作や他のミュージシャンとのセッションなどを通して、フュージョン界の大御所として活躍を続けています。



【アルバム紹介 ~その1~】
アルバム:Larry Carlton(夜の彷徨) 
発表:1978年
スタイル:フュージョン クロスオーバー・ジャズ
イメージ:明るい 優しい リラックス 洗練 日曜の午後   
   



 ハリウッドにあるラリー・カールトンの「Room 335スタジオ」で録音されたことから、このアルバムはRoom 335とも呼ばれています。

 大きな成功を収め、一世を風靡したアルバムです。

 ジャズの色合いとロックの伸びやかさが巧みにブレンドされたプレイがファンを惹きつけ、彼のギターの特徴である、澄み切った、やさしい音をスリル感とともに、存分に楽しむことができるアルバムです。

 Where Did You Come Fromを除いて、すべての曲を彼が一人で作曲しており、フュージョン界のクラッシック的な一枚となっています。

 1曲目のルーム335は、彼の最も有名な代表作の一つです。

 40年ほど前に作られた曲ですが、今でもYou tubeを見るといろいろな人が演奏しており、ギターインストの名曲としてすべての人が認めるところです。

 また、8曲目の(It Was)Only Yesterdayなどもギターインストの名曲として知られています。
  


タイトル (ギターインスト:赤字)
1. Room 335
2. Where Did You Come From
3. Nite Crawler
4. Point It Up
5. Rio Samba
6. I Apologize
7. Don’t Give It Up
8. (It Was) Only Yesterday


(AMAZON)
Larry Carlton(夜の彷徨)




【アルバム紹介 ~その2~】
アルバム:Strikes Twice  
発表:1980年
スタイル:フュージョン クロスオーバー・ジャズ
イメージ:明るい 優しい リラックス 洗練 
 



 ラリー・カールトンの4作目のスタジオアルバムで、前作「夜の彷徨」に次ぐリリースです。

 基本的には前作と同じようですが、本作は、自身のボーカルも前面に出ており、クロスオーバーの音楽をギターとボーカルの両方で挑戦するようなイメージがあります。

 といっても、ギターインストのアルバムとしても素晴らしいです。

 特に1曲目のタイトル・トラックStrikes Twiceはスリリングなフレーズ、身を委ねたくなるような疾走感、軽やかでグルーブ感たっぷりのリズムなど、ギターインストの名曲といわれています。

 また、6曲目のMulberry Streetは、ちょっとRoom 335に似ているような感じがする曲で、スピード感に溢れた、軽快なナンバーです。

 8曲目のFor Love Aloneは、落ち着いた、美しい曲でこの曲にも多くのファンがいます。


タイトル (ギターインスト:赤字)
1. Strikes Twice
2. Ain't Nothin' For A Heartache
3. Midnight Parade
4. The Magician
5. Springville
6. Mulberry Street
7. In My Blood
8. For Love Alone


(AMAZON)
Strikes Twice




【アルバム紹介 ~その3~】
アルバム:Sleepwalk(夢飛行)  
発表:1982年
スタイル:フュージョン クロスオーバー・ジャズ
イメージ:明るい 優しい リラックス 洗練 
 




 アルバム「夜の彷徨」、「Strikes Twice」に続いてリリースされ、前2作ほど大きな話題にはならなかったものの、全曲ギターインストに戻り、ラリー・カールトンの澄み切ったギター・トーンを存分に堪能できる素晴らしいアルバムです。

 やや落ち着いたナンバーが多く、むしろ、それがこのアルバムの魅力といわれています。

 5曲目のタイトル・トラックSleepwalkは、ギターのトーンが優しく、かつ美しく、ギターインストの名曲の一つに数えられています。

 また、Last Nite10:00P.M.は、今やラリー・カールトンのライブでの定番となっているようです。

 そして、2曲目のBlues Birdは、美しいメロディがブルージィーなテイストに包まれながら紡ぎ出されていく名曲です。

 5曲目のタイトル・トラックSleepwalk以外は全てラリー・カールトンの作曲です。

タイトル (ギターインスト:赤字)
1. Last Nite
2. Blues Bird
3. Song for Katie
4. Frenchman’s Flat
5. Sleepwalk
6. Upper Kern
7. 10:00 P.M.
8. You Gotta Get It While You Can


(AMAZON)
Sleepwalk(夢飛行)




【アルバム紹介 ~その4~】
アルバム:Larry & Lee 発表:1995年
スタイル:フュージョン クロスオーバー・ジャズ
イメージ:明るい 優しい リラックス 洗練  




 
 フュージョン界のスーパースターのラリー・カールトンとリー・リトナーが、初めてジョイントして二人によるアルバムを作成しました。

 当時は多くのファンが驚きましたが、ギターバトルではなく、お互いが前に出すぎることなく協調しながらのプレイになっています。

 この姿勢は、バックを支えてくれているミュージシャンたちに対しても同様だと思われます。        

 作曲はラリ-・カールトンが5曲、リー・リトナーが5曲、共作が1曲です。

 ゆっくりとした、軽やかでリズミカルな、ノリの良い曲が多くを占め、大人のギターインストのイメージがあります。

 ジャズ的なリーとブルース、ロック的なラリーといった感じでしょうか。

 いずれの曲も深い味わいがありますが、6曲目のRemembering J.P.は、二人がともに大好きだったジョー・パスに捧げられた曲で、ギターインストの名曲です。

タイトル (ギターインスト:赤字)
1. Crosstown Kids
2. Low Steppin’
3. L.A.Underground
4. Closed Door Jam
5. After The Rain
6. Remembering J.P.
7. Fun In The Dark
8. Lots About Nothin’
9. Take That
10. Up And Adam
11. Reflection OF A Guitar Player


(AMAZON)
Larry & Lee



【アルバム紹介 ~その5~】
アルバム:Take Your Pick  
発表:2010年
スタイル:フュージョン クロスオーバー・ジャズ
イメージ:明るい 優しい リラックス 洗練 





 ラリー・カールトンが日本のB’zのギタリスト松本孝弘(Tak Matsumoto)とコラボしての作品です。

 当時、意外な二人の組み合わせに驚きが広がりましたが、作品はソリッドなギターが貫かれ、ギターインストが好きな私としては聴いていて楽しいです。

 作曲はそれぞれが6曲ずつ提供しており、ラリー・カールトンのギターと作曲の素晴らしさは勿論として、松本孝弘のこのジャンルにおけるギターと作曲の素晴らしさもあらためて知ることになります。

 松本孝弘のオリエント風のフレーズとラリー・カールトンのフュージョンが混ざって、不思議な感じもしますが、それがこのアルバムの新鮮さだと思います。

 全曲が聴きごたえ十分ですが、6曲目のTokyo Nightをギターインストの名曲の一つと推す人もいます。

 このアルバムは2011年、「最優秀インストゥルメンタル・ポップ・アルバム部門」で第53回グラミー賞を受賞しています。

タイトル (ギターインスト:赤字)
1. JAZZY BULLETS
2. Nite Crawler 2010
3. THE WAY WE WERE
4. Islands of Japan
5. Neon Blue
6. Tokyo Night
7. hotalu
8. East West Stroll
9. Easy Mystery
10. ao
11. Take Your Pick
12. A girl from China


(AMAZON)
Take Your Pick 




Larry Carlton - Room 335 | SWR Big Band